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つつじヶ丘通信見るべきほどのことは見つ
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長らく放置状態で、どうしたものかと思っている当ブログですが、ほぼ2年ぶり(1年10カ月ぶり)に単行本を出すことになったので久々にブログで文章を書いてみます。
祥伝社の月刊漫画誌フィール・ヤングで連載した「TOKYO異邦人」という作品が連載21話をもって完結となり、タイトルを「私はカレン、日本に恋したフランス人」と変えて単行本化します。
この1ヶ月ほどは単行本化のための原稿の修正作業、新たな描き下ろしページの制作、表紙カバーのイラスト作りなどをしていました。
連載時は月刊で一話単体の完成度を優先して作るので、21話通して読んだ時に「ここを変えた方が読みやすいな」という箇所が必ず出てきます。そういう部分を修正作業で直しました。あとは「時間が足りなくて心残りだった」という部分の絵やセリフを直したり、キャラの顔も2年近く連載してると変わってくるのでそのあたりもなるべく変化が小さいようにしました。 また、日本語の誤字を直したり、改行部分を直したり、文字の級数を変えたりといった作業もあります。
ある一話全体のネーム(セリフやモノローグ)を9割変えて、一度ゲラにして読んでみて「やっぱり雑誌掲載時の形の方が良かった」という判断になり、8割を元に戻す、ということもやっています。これは編集さんにだいぶ迷惑をかけてしまったなと反省がありますが、最終的にベストの状態を作れたと思います。
直し始めるとキリがないので、担当編集者と時間の許す限り見直して完成させたのがつい2日ほど前です。 他にも目次のページや章ごとの扉、表紙など本全体のデザインを装幀家にしてもらいます。カバーデザイン、帯のデザインは編集サイドと私も意見を言うので、互いにキャッチボールをしながら、目的に向かって進んでいきます。
この記事の終わりにカバーと帯の色校の写真を添えておきます。すっきりととてもきれいなデザインになっています。いかがでしょうか。
今回は連載終了後に新連載をすぐに始めず、連載作業は休んで単行本作業に集中する期間を設けました。結果として単行本作業はけっこう丁寧にできました。これは商業誌で連載している漫画家の場合、なかなかそこまでの余裕を持たせてもらえないのでラッキーだったと思います。
また、個人的に実感しているのが宣伝方法の変化で、今回は発売の1ヶ月前からピクシブコミックというサイトで無料で一部の内容を公開していく、という宣伝をしています。2年前の単行本ではこうしたことはしませんでした。
前回は紙の単行本を発売した2週間ほど後に、電子版を発売しました。しかし今回は紙版と電子版は同時発売です。これは漫画を電子版で読むことが2年前に比べ世の中で一般化した影響だと思います。
他にしている宣伝といえば、ツイッターで読者が感想をツイートしたり「発売が楽しみだ」といったポジティブなツイートをしたりすると、それを私がリツイートしています。これは宣伝告知の他、フォロワーの人たちで感想を共有してもらい、楽しんでもらう場になるという面もあります。私のアカウントのタイムラインに感想がズラーッと連なる形になるので。
漫画家自身がここまで自分の作品の宣伝に関わることは20年前ならなかったと思いますし、ツイッターの登場でだいぶ変わった気がします。 私もたぶん2年くらい前まで、自分の作品を褒める声を自分で拾って拡散するという行為は恥ずかしいと思いましたし、される読者の側としても「この漫画が面白かった」とつぶやいたら著者自身がそれを拾い上げて晒しにきたら気持ち悪いだろう、と思っていました。今もそういう気持ちがあります。 それでもなぜやるのかというと、本をできるだけ売るためです。漫画家が自分で前に立って行う宣伝が一番効果があると言われているので。
あとは他の小説家や漫画家がやっている様子を見て「じゃあ自分もやるか」という気分になったのも大きいです。
ただ、これには作品を作る時間を確実に削られるという悪い面もあります。
この辺の「恥ずかしい。恥ずかしくない」という感覚は時代とともに変化しているとしみじみ思いますね。変な話ですけど。受け手の読者の感覚の変化もあると思います。
このネタで短編を一本描けると思います。
だいぶ話がそれましたが、以上が単行本制作作業が終わった時点での雑感です。
ピクシブコミックの無料公開は発売までの期間限定で毎週水曜日に更新していきます。新刊を宣伝するならこの際、既刊も!ということで「モンプチ 嫁はフランス人」も公開しています。どうぞよろしく。
pixivコミック追っかけ連載
先日インタビュー記事が出ました。
2004年頃から2017年現在までの私の状況をお話した内容で、自己紹介としては非常にうまくまとまっていてありがたい記事になりました。
フランス観光開発機構(アトゥー・フランス Atout France)さんによるインタビューです。
フランス観光開発機構とはフランスの観光事業を支援促進する目的で2009年に設立されたフランスの半官半民の組織です。
ホームページに行くとパリだけでなく、アルザスやブルターニュ他、様々な地方の観光に役立つ情報が得られます。
フランス旅行を計画している方はどうぞ参考にしてください。
ツイッターでは既に告知しましたが、ブログでもお知らせしておきます。
またトーク?芸能人気取りかブタ野郎!という周辺知人の心の声が聞こえて来ていますが、またです。
大ヒットエッセイコミック「中国嫁日記」の作者、井上純一さんが開いているトークイベントにゲストとして呼ばれまして、井上さんには過去に雑誌ananで同じページに寄稿したり、ブログで私の作品についてレビューしてもらったりしたご縁もあり、光栄なことだったので二つ返事でお受けしました。
「中国嫁日記」の6巻が先日発売されたばかりのタイミングで、その発売を記念したイベントになります。
今回は妻とではなく、私一人が漫画家として出演します。
ご興味のある方はどうぞお越しください。
詳細はこちら→
Live Wire [487] 17.1.7(土) 希有馬屋フリートーク#9 『中国嫁日記(六)』発売記念トーク 井上純一×じゃんぽ〜る西
来週の月曜日に妻と二人でディスカッション形式のトークイベントをすることになりました。
司会は「ふらんす」前編集長の丸山有美(まるやまあみ)さん。
「カフェトーク」という趣向で当日お客様にはコーヒーが振るまわれるそうです。参加費は一般千円、学生さん五百円。
定員50名で始めたところ希望者が60名を超えたので会場を東京の恵比寿にある日仏会館のギャラリーからホールに変更し、定員150名まで増やすことになりました。50名でも人が集まるか不安がありましたが、おかげさまで盛況のようです。
お手数ですが事前予約が必要です。たぶんまだ70席くらいは空席があると思われるので、ご希望の方は下記リンクからイベント参加登録をよろしくお願いします。
お話のテーマは「男女関係」。日仏の恋愛観、結婚観の違い、夫婦関係、子育てなどについて、我々夫婦が普段感じている事や、日仏の常識の狭間で押し引きしている事を司会の丸山さんとともに話し合っていきたいと思っています。
社会や文化の違いの話は「日本はこうである!」「フランスはこうである!」と一般化して話すことが難しいので、どこまでうまく言葉にして話せるかわかりませんが精一杯やらせていただきます。
通訳は無しで日本語で進めます。
詳しい情報と参加登録はこちらから→日仏会館•イベント情報
それでは皆様、当日、日仏会館にてお待ちしております。
12月10日追記
「モンプチ 嫁はフランス人」2巻が発売されてからまもなく一ヵ月が経とうとしておりますが、電子版が本日発売されました。
紙版ともども、どうぞよろしくお願いします。
現時点でebookjapanで買えます。アマゾン、楽天ではまだ出ていないようです。
※10月2日追記 Kindle、ibooksは10月14日配信予定です。
第2巻には月刊「フィールヤング」連載の第16話〜31話が収録されます。
現在その修正加筆に加え、単行本用描き下ろしページ、おまけカット、カバーイラスト等の作業中です。
第1巻に収録された月刊「ふらんす」連載の「フランス語っぽい日々」シリーズは2巻には収録しません。「フランス語っぽい日々」はフランス語をテーマにした別の単行本にいずれまとめる予定です。
モンプチ第2巻の発売日が決まったら改めて告知いたします。
よろしくお願いします。