「22世紀・病院がなくなる日 良心派医師の見た夢」(飛鳥新社刊)という本のカバーイラストと本の中の章扉イラストの仕事をしました。
本の内容は現在の医療に対する「ああしたらいい、こうしたらいい」という提言で、いろいろな提言がなされていますが、私が面白いと思ったのは医師の姿勢を説いた部分でした。
私たちは病院に行った時に医者に素人っぽい質問がしにくいものです。
例えば大きな病院で多忙そうな医師の治療を受けた時。「その検査は何のためにうけるのか」「同意書にサインをする前に説明はないのか」等の疑問を感じて質問をする時、ある種の気まずさがないでしょうか。「疑問を口にすること=クレーマーなのだ。よい患者、医師に好かれる患者であらねば!」と空気を読んで黙っていることはないでしょうか。
まさにその、我々が診察室で瞬間的に読む「空気」がどんな常識から来ているのかがこの本を読んでいろいろと理解できました。
全体としてはタイムスリップものの物語仕立てになっています。著者の岡本裕さんは実際のお医者さんで阪神淡路大震災を経験し、当時医療ボランティアをしたことが転機のきっかけになったそうです。
興味がある方は手に取ってみてください。